株式会社ユニーデバイス 様

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半導体商社であるユニーデバイスの管理本部 小松健二氏に、価格、速度、保守体制などSigTelへの評価、そしてシンガポールのキャリアとつきあうことの付加価値などにつき詳しく聞いた。

シングテルをどのように活用しているか

― ユニーデバイスの業態につきお聞かせください。

韓国の大手電機メーカー、サムスン電子の半導体を、日本の各メーカーに販売している電子部品の商社です。

― 現在、シングテルをどのようにお使いですか。

東京、大阪、名古屋の国内でのIP-VPN。そしてシンガポール拠点と東京本社を結ぶ国際IP-VPNの構築をシングテルに依頼しました。なお国内IP-VPNについては、シングテルが手配した国内通信会社によるものです。今回は、シンガポール-東京間のIP-VPNについてお話しすることにします。

― 韓国のメーカーの商社なのに、なぜシンガポール拠点があるのですか。

以下の理由によります。

  1. ユニーデバイスは、日本のメーカーにサムスンの半導体を売っている。しかしそれは、必ずしも半導体を日本に輸入して日本国内の工場に輸送するということを意味しない。
  2. 日本のメーカーは、インドネシア、タイ、マレーシアなどに現地工場を持っている。サムスン電子もまた東南アジアに工場を持っている。ということは、事務的な契約は日本で行ったとしても、実際の物の動きは、サムスンの東南アジア支社から、日本の企業の東南アジア拠点に向けて行われることがありうる。
  3. このような物流、商流に対応するために、ユニーデバイスはシンガポールに拠点を構えている。東南アジアのハブ拠点は、やはりシンガポールだから。

東京・シンガポール間に国際IP-VPNを導入した目的

― 今回、東京本社とシンガポール拠点をIP-VPNで接続したねらいは何でしょうか。

以下のことを実現したいと考えました。

  1. シンガポール拠点での在庫状況、販売状況などを、東京本社で常にリアルタイムに把握したい。
  2. シンガポールの現地法人は、ユニーデバイスの連結子会社である。期末の締めには、数字が明確に紛れなく把握できていなければならない。
  3. 理想的には、販売管理システムの情報をリアルタイムで把握できるのが望ましい。シンガポールと東京で物理的距離が離れていても、ネットワークトポロジーとしては一つにまとめられている、一体感のある状況が理想。

― シングテル導入以前は、東京本社とシンガポールの情報のやりとりはどのような形態を取っていたのですか。

販売情報、在庫状況などはメールとExcel添付ファイルでやりとりしていました。シンガポールの個人と、東京の個人が、インターネットを通じてメールで文通している状態と、ネットワーク構造としては同値です。

キャリア選びの基準

― その状況を脱するために、今回、IP-VPNを導入したわけですが、IP-VPNを任せるキャリアにつき、数社を比較検討なさったと思います。検討する際の基準はどのような。

以下の三点が基準となりました。

  1. 価格 ~ 従来の国内IP-VPNの料金そのままで、国内と国際の両方のVPNをやりたかった。
  2. 速度 ~ 10MBの保証が必要だった。
  3. 保守体制 ~ 障害時にすぐ対応できる「体制」が必要。

何社かを比較しましたが、この三点を基準に検討したところ、シングテルが総合的に最も優れていました。

― では、順々にお聞きします。まず「価格 ~ 従来の国内IP-VPNの料金そのままで、国内と国際の両方のVPNをやりたかった」という基準について具体的には。

弊社では国内IP-VPNは昔から使っていました。しかし国際IP-VPNは、2~3年前はまだまだ高価で手が出ませんでした。それからしばらくは「今の国内IP-VPNと同じ価格で、国内と国際と両方VPNが引けるようなサービスはないかな」と考えていたのですが、今回シングテルから出てきた価格は、国内と国際とを合算しても、従来の国内IP-VPNをさらに下回る価格でした。安くて良いサービスは、探せばあるものなのですね。

― 価格が安いサービスの場合、品質への不安は感じませんでしたか。

当然、その危惧はあります。これをカバーするのが、第二のポイント、「速度 ~ 10MBの保証が必要だった」になります。

この点について、比較競合他社(A社)に質問したところ、「10MBを確保します」という回答でした。「確保か、なら大丈夫だな」と一瞬思いましたが、いや、待てよ、保証ではなく、確保、確保…と考えると次第に曖昧に思えてきたので、営業マンに、「確保というのは10MB必ず出る”保証”の意味ですか。それとも極力10MBに近づけるという”ベストエフォート”の意味ですか」と質問したところ、結局は、ベストエフォートの意味でした。こういう言葉のごまかしは好きではありません。A社との商談はそこで終わりました。

一方、シングテルからは10MBを「保証する」という明確な回答がありました。

― 3つめのポイント、「保守体制 ~ 障害時にすぐ対応できる「体制」が必要」については。

10MBの「保証」があるとはいえ、やはり予期せぬトラブルへの備えは必要です。私は、社内でVPNの責任を負う立場ですが、とはいえ、それ以外にも担当している仕事は山ほどありますから、回線不通などのトラブルの際に、しっかりとバックアップしてくれる「体制」を持ったキャリアでないと怖くて採用できません。

シングテルの場合、「5時間不通の場合、シングテルジャパンの社長に通知が行く」という体制が取られていました。そういうことを明言している会社を他には知りません。コミットメント度の高い体制だと思います。

シングテルの付加価値

― ここまでで、価格、速度、保守体制という、キャリアとしての「基礎力」にご評価をいただきました。その他、シングテルに「付加価値」を感じる部分はありましたか。

シングテルはシンガポールの会社であり、シンガポールと東南アジアに強いということ。これは弊社に、次の2つの付加価値をもたらします。

  1. 「今後、東南アジアに事業拠点を広げた場合でも、ごく自然に拡張できる」という付加価値
    ユニーデバイスでは今後、中国やフィリピンに拠点を設けるなどして、東アジア、東南アジアでビジネスを広げていくことがありえます。そうなった場合でもシングテルとつきあっておけば、回線がごく自然に拡張できます。この「東南アジアでの自然な回線展開」という点は他キャリアに比べてシングテルに相対優位があると思います。
    シングテルの説明によれば、日本、韓国、香港など、通信企業が民営化されているいわゆる”オープンカントリー”では、回線拡張にさほど問題はないが、インドネシア、ベトナム、タイ、フィリピンなど今でも通信が国営事業の”クローズド・カントリー”では、回線を引く場合に融通が利かないことがあるので要注意とのことでした。そういう国では基幹回線は何とかなっても、ローカルループ、ラスト・ワンマイルで融通が利かずに回線敷設が滞ることがありうるとのことでした。
    イメージで言えば、「外国資本への優遇税制や、土地代、人件費の安さに惹かれて工場を出したら、ネットワーク回線でつまづいてしまった」という状況がありうるとのことでした。
    ではそういうクローズド・カントリーでシングテルがどう立ち回るかというと、たとえば現地のテレコム会社に出資し、経営上の発言権を得て、様々な問題を解決していく、融通を利かせていくとのことでした。なるほどいかにもシンガポールらしいやり方だなと思いました。
  2. 「シンガポール現地のSI会社その他の情報を提供してもらえる」という付加価値。
    例えば、ユニーデバイスのシンガポール拠点において、何かシステム開発をしようとした時、どこのSI会社に依頼すればいいのか迷います。日本のSI会社の名前を聞いただけで、だいたいの実力や社格が見当がつきますが、シンガポールの会社ではさっぱりわかりません。このような場合にシングテルに相談できること、情報提供していただけること。これは付加価値です。

今後の展望とシングテルへの期待

― 今後の国際IP-VPNプロジェクトの展望は。

2006年12月に、日本、シンガポール間のVPNが開通します。フェーズ2では、シンガポール拠点の在庫や売り掛けなどのDBを、今、東京で使っているアプリケーションで読み込めるようにし、システムとして一体化したいと考えています。現在、弊社ではSIerとして日立情報システムズを採用しており、今回の国際IP-VPNプロジェクトでも要所で活動していただきました。フェーズ2になると、より一層のSI力が必要になるので、日立情報の支援に期待がかかります。 また、現在は上海拠点のIP-VPNの拡張も検討中です。

― 今後のシンガポールテレコムへの期待をお聞かせください

信頼を大事にして、長くおつきあいできればと考えています。高い技術力、サポート力、情報力で、弊社のビジネスを下支えしてください。期待しています。

*取材日時 2006年10月
*IP-VPN、IPVPN、IP VPNは同義です。