企業が抱える問題 2

古くなったシステムのサポート期限の問題

日本の企業も、システム投資の重要性を認識し、多額の資金を投入しネットワークや業務システムなど構築し、日々の作業の効率化しています。

特に、ERP(エンタープライズ リソース プランニング)を導入し、総務や人事、生産、販売、会計など企業の基幹情報を統合的かつリアルタイムに把握し、効率的な経営スタイルに切り替えるケースが増えています。

その一方で、従業員が今まで業務で使ってきたパソコンの刷新には、しっかり予算がさけないケースも目立ってきています。多くの企業では業務用パソコンのOSがWindowsであることがほとんどだと思いますが、Windowsは一定期間でOS自体のサポート期間が終了します。

OSのサポート期間が終了すると、そのOSのプログラムにバグや脆弱性が見つかったとしても、マイクロソフトは新しく修正プログラムを配布しません。

バグや脆弱性が見つかったにもかかわらず、修正プログラムが配布されないとなると、外部から侵入したウイルスに感染しやすくなります。そのパソコンが完全に社内に閉じられたネットワーク上で稼働しており、外部のネットワーク(インターネットなど)に一切接続せず、メールも一切受信しないのであれば、ウイルスに感染する可能性は低くなりますが、少しでも外部のネットワークに接続したり、メールを受信すれば、ウイルスに感染する危険性は一気に高まります。

2014年4月9日にWindows XPのサポートが終了しました。それを受けて、総務省の自治行政局地域情報政策室が「Windows XP 更新状況にかかるフォローアップ調査」を発表しました。

この資料によると、地方公共団体が保有するパソコン約204万台のうち、Windows XPを搭載したパソコンで、かつ、サポート期間終了後も業務で引き続き使用する予定のパソコンの台数が、約26万5千台(全数の 13.0%)にものぼったとのことです。日本の地方自治体、つまり役所で約26万5千台の期限切れのWindows XPパソコンが引き続き稼働する予定である、ということです。

本来であれば、最新版のOS、Windows 10を新規に導入して使用するのが望ましいのですが、それぞれの組織には予算があり、これらのWindows XPをWindows 10に置き換えることが難しいことが原因でした。

これは民間企業でも同様です。大企業であろうが、中小、零細企業であろうが、ビジネスを運営する上で必要不可欠な投資や最先端の設備投資、売上アップに直接つながる投資であれば、積極的に予算をさき、機器を新規導入したり、置き換えたりできます。その反面、やはり、現在、問題なく動いているパソコンやその他機器にまでは、なかなか予算をさくことは難しいでしょう。

さらに深刻なのが、それらの機器の上で業務に必要不可欠なシステムが動いている場合、機器の置き換えにともなってプログラムの互換性の問題が発生する場合があるということです。

具体的には、業務に必要不可欠なプログラムがWindows XPパソコンの上で動いており、そのパソコンをWindows 10に置き換える場合、いままで動いていたプログラムをそのままWindows 10に載せ替えることができず、Windows 10でも動くようにプログラムを書き換える必要がある場合がある、ということです。このようにパソコンやサーバ機器の置き換えによって、システムの再構築が発生するケースは多々あります。

社内スタッフがそのプログラムを作成したのならまだしも、専門の開発業者に発注して作成した場合は、プログラムの書き換えの際に、再度、発注しなければなりません。その場合、機器の置き換え費用に加え、プログラムの書き換え費用、新規にプログラムを作成する場合は、さら多くの費用がかかります。簡単なプログラムでも、十万円単位、複雑なものであれば数億円単位で費用がかかる場合さえあります。

このように、パソコンやサーバ、システムは業務を効率化してくれる一方で、機器のハードウェア保守、ソフトウェア保守、ライセンスの期限、買い替えコストなど、広い意味での「メンテンスコスト」が積み上がってくることを強く意識しておく必要があります。