サイバー犯罪とは 2

急増するサイバー犯罪

平成29年9月7日、警察庁がまとめた「サイバー空間をめぐる脅威」に関する
最新データ(今年1~6月)によると、サイバー犯罪に関する相談件数は、
前年同期比で4.9%増え、6万9977件と過去最多になっております。

相談件数の内訳を見てみると、下記のようになっております。

相談件数の内訳

この中で注目すべき点は、詐欺や悪質商法に関する相談が突出して多く、相談件数の50%以上を占めているという点です。下記のような相談が、3万6729件にも及びます。

▼詐欺や悪質商法に関する相談(3万6729件)
・オンラインショッピングサイトで商品を注文し代金を振り込んだが、商品が届かない。
・オンライン動画を閲覧しようとしたところ、登録料金を要求された。

出典: 警視庁 広報資料「平成29年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」

その他の相談内容では、下記にように、毎日パソコンやスマートフォンを使っていたり、テレビやインターネットでニュースを見ている人にとってはなじみのある内容が多数を占めています。

▼不正アクセス等、コンピュータ・ウイルスに関する相談(6848件)
・ウイルス感染を警告する画面が表示され、画面に表示されていた電話番号に電話するとウイルス駆除料金を要求された。
・パソコンに保存していたデータが暗号化され、仮想通貨を要求された。

▼迷惑メールに関する相談(6483件)
・「相続人がいないため、十数億円の遺産をあなたに相続したい」というメールが送られてきた。
・身に覚えのないアダルトサイト利用料金を要求するメールが送られてきた。

▼名誉毀損・誹謗中傷等に関する相談(5972件)
・掲示板サイトに個人情報を掲載されて、誹謗中傷する内容を書き込まれた。

出典: 警視庁 広報資料「平成29年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」

 

サイバー犯罪の検挙件数は4209件で、前年同期より71件減っています。主にアダルトサイトの閲覧者から登録料名目で金銭ををだまし取る詐欺など「ネットワーク利用犯罪」が3808件を占めています。

 新局面を迎えるサイバー犯罪

相談件数が過去最高を更新する一方で、意外なことに、インターネットバンキングなどに関する不正送金犯罪をみると、発生件数は214件で前年比645件減少、被害額は約5億6400万円で前年比3億3300万円の減少となっております。

これは、オンインターネットバンキングで、パスワードが流用されないようにする「ワンタイムパスワード」が普及したことや、不正送金に使用されたIPアドレス等に対する監視が強化され、不正送金をモニタリングする仕組みを導入したことが大きな要因だと考えられています。

オンラインショッピングサイト、インターネットバンキングやアダルトサイトなど比較的インターネット普及当初からあるサービスがサイバー犯罪のターゲットにされる一方で、最近は、新しく登場した「仮想通貨」や、同じく新しく登場した、インターネットと家電などを接続する「IoT」もサイバー犯罪のターゲットにされるようになりました。

今年5月以降、仮想通貨アカウントに対する不正アクセスによる不正送金犯罪が急増しており、認知件数は23件、被害額は約5920万円相当となっております。被害が発生している取引所では、いずれも二段階認証(ログイン用のパスワードとは別に、ワンタイムパスワードなどを使用して二段階の認証を設けてログインさせる方法)を導入していたが、不正送金被害者23人のうち20人(87.0%)が、二段階認証を利用していなかったとのことです。

このように、仮想通貨自体が狙われるサイバー犯罪もありますが、仮想通貨を支払手段としたサイバー犯罪も大きな注目を集めました。今年の5月には、ウイルスがパソコン上のファイルを勝手に書き換え、パソコンの所有者が使えないようにし、所有者が使えるようにファイルを元通りに復元する代わりに身代金を要求する「ランサムウェア」の被害が世界的に拡大しました。

仮想通貨は、インターネットバンキングに比べ、アカウント開設時に本人確認が不要だったり、不十分だったりするため、送金時に本人を特定されないケースもあり、サイバー犯罪の温床になることがあります。

ここ数年で、仮想通貨など新しい技術が普及したことにともない、サイバー犯罪はよりいっそう高度化し、新たな局面を迎えています。