クラウドアプリ利用の注意点 3

クラウド上のデータは瞬時に消える恐れがある

前回、あるクラウドサービスのセキュリティ面について、研究者から告発されたケースをみてきました。

インターネットを軸とした技術の進歩は速く、クラウドサービスなど以前はなかったサービスがどんどん登場します。それが一般的なサービスとして広く定着するまでには、セキュリティやユーザーの情報保護など様々な問題が起き、ひとつひとつ解決され、確固たるサービスになって行くというケースはしばしば見受けられるものです。それぞれのサービスのメリットとデメリットを見比べつつ、自分で利用しても問題ないか慎重に見極める目が試されます。

さて、今回はクラウドサービス上に置いておいたデータが、突然利用できなくなるリスクをみていきましょう。

数日前、Twitterサイトに下記のようなツイート投稿されました。

あ…ありのまま今起こった事を話すぜ!MITを離れて1年半、今日になって突然おれのDropboxのMITアカウントが予告なく解約されフォルダごと消されたんだ…そこには10年分の研究データやソースコードが入っていた…それが全て跡形もなくPCから消えちまった!無慈悲なポップアップメッセージだけを遺して…
出典: Twitterより

以前いた大学で使用していた Dropbox のアカウントが突然解約され10年分のデータがフォルダごと消えた話「想像するだけでゾっとする」

このケースでは、法人版のDropboxアカウントを利用していたようです。

Dropboxは世界中で利用されている、ファイル保存のクラウドサービスです。自分のパソコン(ローカル)に保存したファイルをインターネット経由でサーバ(クラウド)に同期して保存します。

自分が所有する他のパソコン(ローカル)へファイルを同期する場合は、まず、そのパソコンから一度サーバ(クラウド)に接続して、自動で新しく追加されたファイルや削除されたファイルの有無を確認します。もし、新しく追加されたファイルがあればダウンロードし、削除されたファイルがあればそのパソコン上でそのファイルを削除するというように、全て自動でファイルの状態を同期します。

もし、ひとつのファイルをDropbox上で誰か他の人と共有していて、他の人がそのファイルを削除すれば自分のパソコンでもそのファイルが削除されることも起こりえます。

上記のケースでは、法人アカウントの管理者がアカウントを削除したか、他の共有者がディレクトリをまるごと削除して、その情報がインターネット経由で自分のパソコンに同期され「10年分のデータがフォルダごと消えた」ようです。

クラウドサービスには、下記の2つのパターンがあります。

1. パソコンやスマートフォンにデータを保存し、同じデータをクラウド上に同期して保存するタイプ
2. クラウド上だけにデータを保存し、そのデータをパソコンやスマートフォンに表示するタイプ

1のタイプではパソコンやスマートフォンでデータを削除すれば、クラウド上のデータも削除されます。クラウドサービスによっては、複数のパソコンやスマートフォンでクラウドサービス上データを同期している場合には、1台のパソコンやスマートフォンでデータを削除すれば、クラウド上のデータも削除され、その他のパソコンやスマートフォンのデータも削除されるケースがあります。上記のDropboxのパターンであるケースも高いです。

2のタイプではパソコンやスマートフォンにはデータを保存していないので、データを削除する場合はブラウザなどを使ってクラウド上のデータを削除します。クラウド会計などはこのパターンが多いようです。クラウド会計を利用する場合はブラウザを使ってクラウド会計サイトにクセスしてデータを追加したり削除したりします。

大切なデータはクラウドサービスとわけてパソコンに保存する

どちらにしても一番気をつけなければないないのは、今まで利用できていたデータが突然利用できなくなることです。

健全に運用されているクラウドサービスでは、事業者のデータ紛失や会社倒産で突然クラウドサービスが閉鎖され、今まで利用できていたデータが利用されなくなるリスクは極めて小さいですが、信頼性の低いクラウドサービスや利用者が極めて少ないクラウドサービスでは、事業者の都合で突然クラウドサービスを利用できなくなるリスクは十分ありえます。

その他、Dropboxのように第三者とクラウドサービス上でファイルを保存し共有している場合には、誰かがファイルを削除すれば、思いがけず、そのファイルが自分のパソコンから削除されるリスクもあります。

本当に大切なデータは、クラウドサービス上に置いておくだけではなく、自分のパソコンのクラウドサービスとは同期しない場所にコピーをとっておくことも必要になります。